シミュレーション機能

SOLCUBE Cloud のメイン機能であるシミュレーターについて説明します。ダッシュボードの左側パネルでパラメーターを設定すると、右側のグラフがリアルタイムに更新されます。


パラメーター設定

ダッシュボード左側の設定パネルで、以下のパラメーターを調整できます。

基本パラメーター

パラメーター説明
総戸数マンションの住戸数
計画期間シミュレーションの対象期間(年)
計画開始年シミュレーションの起算年
修繕積立金(月額/戸)1戸あたりの月額修繕積立金
現在の積立金残高シミュレーション開始時点の修繕積立金残高

詳細パラメーター

パラメーター説明
インフレ率工事費の年間上昇率(%)
消費税率将来の消費税率
運用利回り修繕積立金の年間運用利回り(%)
段階増額修繕積立金を段階的に増額する設定

チーム設定の「建物基本情報」に値が登録されている項目は、ダッシュボードでは読み取り専用として表示されます。変更する場合は「設定 → 物件(チーム)設定」から編集してください。


標準修繕モデルの読み込み

パラメーター設定パネルの下部にある「標準データを生成」ボタンをクリックすると、現在の建物条件(専有面積・築年数など)に基づいて、国交省ガイドラインの考え方に沿った標準的な修繕項目を自動生成できます。

生成時には、以下の主要な修繕周期を建物の実情に合わせて調整できます。

項目初期値の目安
大規模修繕(外壁・防水)12〜15年周期
給水管・排水管 更新工事25〜30年周期
EVリニューアル25〜30年周期
窓サッシ更新工事34〜45年で調整可(既定36年・目安34〜38年)

窓サッシ更新工事は、国土交通省ガイドライン(様式第3-2号)の取替周期34〜38年に沿って、カバー工法による本体更新を想定した標準項目です。既定では計上され、断熱改修を任意で見送る場合などは物件設定の「窓サッシ更新の計上」で「計上しない」を選べます。築年数が経過した物件でも、次回の大規模修繕に合わせて計画に反映されます。

建物詳細情報による自動反映

物件設定の「詳細な建物情報」に値が登録されている場合、標準修繕モデルの生成に自動的に反映されます。

設定項目自動反映の内容
エレベーター基数0基の場合はEV関連項目をスキップ。2基以上の場合はコストを基数に応じて算出
機械式駐車場台数1台以上の場合、部品交換(5年周期)と全体更新(25年周期)を自動追加
給水方式受水槽方式の場合、受水槽更新(25年周期)を自動追加。高架水槽方式の場合は高架水槽更新も追加

設定パネルの「詳細な建物情報」セクション(折りたたみ式)で、現在設定されている詳細情報を確認できます。変更する場合は「設定 → 物件(チーム)設定」から編集してください。

初めてシミュレーションを行う場合は、まず「標準データを生成」で修繕計画のベースを作成し、そこから個別の工事時期や費用を調整していく方法がおすすめです。

標準データの単価・費用の根拠

「標準データを生成」で自動計算される費用は、次の考え方に基づく概算のたたき台です。

要素根拠
修繕周期(大規模修繕の間隔など)国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」の参考値に準拠
地域補正国土交通省「公共工事設計労務単価」をもとにした都道府県別の地域係数で自動補正(物件設定で都道府県を選択)
工事の単価(屋上防水・外壁・鉄部塗装・給排水管・窓サッシなど)大規模修繕工事の一般的な市場相場をもとにした標準値(窓サッシはカバー工法の市場相場ベース)

国土交通省のガイドラインには、工事項目ごとの「円/m²」単価表そのものは掲載されていません。本ツールの単価は市場相場を参考にした標準値であり、算出される総額の水準は同省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年)」が示す事例の範囲に収まることを確認しています。

自動生成される費用はあくまで概算です。正確な金額は物件ごとの劣化状況・仕様・数量によって大きく変わるため、正式な計画策定時には設計事務所・施工会社による見積り(3社以上を推奨)を必ず併用してください。

詳細設定(面積・数量で積算)

生成ダイアログの下部にある「詳細設定(面積・数量で積算)」を展開すると、主要な修繕項目の面積や数量を個別に入力して、より精度の高い工事費を算出できます。

入力項目単位説明
屋上防水面積屋上の防水施工面積
外壁面積外壁の施工面積
鉄部塗装面積手すり・PS扉等の鉄部塗装面積
建具・金物等箇所玄関扉・面格子・網戸・金物等の交換対象数(窓サッシ本体は「窓サッシ更新工事」として別項目で自動計上)

各項目には建物条件に基づく自動推計値が表示されます。面積が分かる項目だけ入力すれば、残りは自動推計で計算される「混合方式」で運用できます。

単価は建物設定(屋上防水仕様・外壁仕上げ)に応じたデフォルト値が自動設定されますが、手動で調整することも可能です。

詳細設定を使用すると、従来の「大規模修繕工事(外壁・防水)」という一括項目が「屋上防水補修・更新」と「外壁塗装工事」に分割され、それぞれ「数量×単価」で計算されます。


結果表示のタブ切替

シミュレーション結果エリアには3つのタブがあり、目的に応じて表示を切り替えられます。

タブ内容
グラフ収支計画グラフ + KPI 診断(デフォルト表示)
年度別詳細年度ごとの収入・支出・残高の一覧テーブル
総括表国交省様式第4-1号に準じた修繕項目×年次のマトリクス

すべてのタブはリアルタイムに連動しており、左パネルのパラメーター変更が即座に反映されます。

総括表(様式第4-1号)

「総括表」タブでは、修繕計画の全項目を国交省ガイドラインの分類体系(区分・推定修繕工事項目)でグルーピングし、計画期間の各年度に予定されている工事金額(万円単位)をマトリクス形式で表示します。

  • 区分ごとの小計行: 仮設・建築・設備・外構等の区分ごとに金額を小計
  • 合計行: 全項目の年度別合計
  • 横スクロール: 30年分の列を横スクロールで確認可能(項目名は左固定)

金額は税抜表示です。左パネルの「工事費上昇率」が 0% より大きい場合は、各年度の金額にインフレ係数(複利)が適用されます。設定値は表の上部に「工事費上昇率 X% 適用」として表示されます。実際のキャッシュフロー(税込・インフレ込)は「年度別詳細」タブで確認できます。


グラフの見方

シミュレーション結果は、国交省ガイドライン「様式第4-2号(収支計画グラフ)」に基づくグラフで表示されます。

  • 棒グラフ(青): 年度ごとの修繕工事支出
  • 折れ線(青): 修繕積立金残高の推移
  • 折れ線(緑): 均等積立モデルとの比較

赤字年度の警告

積立金残高がマイナスになる年度は、グラフ上のマーカーが赤色で表示されます。資金不足が発生する時期を視覚的に確認できます。


KPI 診断

シミュレーション結果に基づき、以下の診断指標が自動計算されます。

  • 積立金充足率: 計画期間全体で必要な工事費に対する積立金の充足度
  • 赤字発生年度: 積立金残高がマイナスになる最初の年度
  • 最小残高: 計画期間中の最小積立金残高

修繕計画の編集

年度別の修繕工事計画を直接編集できます。

  • 工事項目の追加・削除
  • 工事時期の変更
  • 概算費用の調整

変更はリアルタイムでグラフに反映されます。


プロジェクトの保存

シミュレーション結果はプロジェクトとしてクラウドに保存できます。

  • ヘッダーの「保存」ボタンをクリック
  • プロジェクト名を入力して保存
  • 次回アクセス時にプロジェクト一覧から読み込み可能
  • プロジェクト一覧(「開く」ダイアログ)の各行にマウスを合わせると、鉛筆アイコンから名前の変更ができます

Personal(無料)プランでは保存できるプロジェクトが 1件 に制限されます。複数のシミュレーションシナリオを管理したい場合は Standard 以上のプランをご検討ください。